#Dialog1「オーセンティックリーダーシップ」 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事 荻野淳也さん Vol.1

Googleで開発された、脳科学ベースのマインドフルネス講座 ”Search Inside Yourself”。世界的なウェルビーイングムーブメントの火付け役として、デジタル時代の叡智(=Wisdom)ある生き方を見出す、国際カンファレンス”Wisdom2.0”。

このムーブメントの立役者であり、変革期の世界と日本を結ぶ、マインドフルネスの一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事 荻野淳也さんをお迎えして、「オーセンティックリーダーシップ」をテーマに対談しました。


川嶋治子(以下、川嶋):荻野さん、今日はありがとうございます。 今日お招きできて、こういう形で対話ができるのは、すごく嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。

荻野淳也氏(以下、荻野):こんにちは。光栄です。よろしくお願いします。

川嶋:では最初に、簡単に自己紹介をお願いできますか。 

荻野:荻野淳也と申します。20年以上組織開発、リーダーシップ開発、人材育成コンサルタント、エグゼクティブコーチ、ファシリテーションといった組織づくり、企業文化の構築、企業変革のお手伝いをしています。 

1Googleとの出会い、マインドフルリーダーシップの第一人者へ

川嶋:荻野さんといえば、日本にマインドフルネスを紹介した第一人者として、日本におけるマインドフルリーダーシップ普及に多大な貢献をされていますが、日本でマインドフルネスが広く知られるきっかけとなった、Googleで開発されたリーダーシップ開発プログラム”Search Inside Yourself”との出会いを教えていただけますか。



(画像:米シリコンバレー・マウンテンビューにあるGoogle本社(Googleplex)にて。 SIY創設者チャンディ・メン・タン氏のパネルが飾られている。撮影川嶋治子)

荻野:私が以前ヨガスタジオ運営会社の役員をしているときに、ヨガや瞑想を使った法人向けのプログラムを作ったりしていました。例えば、ストレス軽減のプログラムや、メタボ対策のプログラム、創造性発揮のためのプログラムなどです。

その際にGoogleのリーダーシッププログラムに興味があって調べていくと、実はマインドフルネスベースでやっているということがわかり、おこがましい話ですけども、自分がやっていることとGoogleがやっていることが一緒なんだっていう勝手な思い込みをしました(笑)。

そのGoogleのプログラムを日本でやるんだったら自分たちがやるしかないという思い込みのもと、いてもたってもいられなくなり、サンフランシスコに渡り、Googleのプログラム開発メンバーにお会いさせてもらって日本で展開させてくれと説得しました。「来年僕たちが人を集めるから、来年来てください」と。また、そのためにマインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)を立ち上げました。


(荻野さんが代表理事を務めるMiLIでは、プログラム開発者を招いたワークショップなどを定期的に開催している。2021年現在はオンライン開催。撮影川嶋治子)

今日のテーマであるオーセンティシティや、オーセンティックリーダーシップも、僕はほぼ同じような概念の一つだと思っていますが、マインドフルネスや、マインドフルネスリーダーシップを広げたり、企業の方々にお伝えしたりしています。 


(画像:川嶋が参加させていただいた、Search Inside Yourselfワークショップにて 左から荻野さん、川嶋)

(画像:左からリッチ・フェルナンデス(SIYLI CEO、元Google人材開発部長、心理学博士)氏、川嶋、MiLI理事木蔵シャフェ君子氏)

2、「ニューチャプター(新しい章、新しい扉)」


川嶋:今日の本題であるオーセンティシティとリーダーシップの話の前に、タイムリーなテーマである「Wisdom 2.0」についてもお伺いしてもいいですか。 

荻野:Wisdom 2.0という国際カンファレンスは、2009年にサンフランシスコで発祥し、今年で12年になるのですが、Wisdom 2.0からマインドフルネスやウェルビーイングブームの火付け役になったといわれており、その日本版を私たちがやっています。 


(画像:Wisdom2.0 Japanサイトより)

荻野:毎年、国際カンファレンスは3月にサンフランシスコで行われていましたが、今年はオンライン開催になり、それがちょうど今週末、日本時間で3月27・28行います(3月23日対談)。そして、今年のテーマが「ニューチャプター(新しい章、新しい扉)」なんです。 

川嶋:ニューチャプター、新しい章の幕開け。まさに今 、このタイミングで取り上げるべきテーマのど真ん中だなと思います。

荻野:ニューチャプターって日本でも必要だと思います。僕らは、1年ほどコロナ時代を経験して、ほぼ皆さんアジャストしてきている。いいのか悪いのか分からないですが、コロナ慣れしてしまっている。そこで、停滞しているのではなく、次の時代を開いていく。ニューチャプターって新しい章、新しい扉という意味ですが、もうそろそろ僕たちのニューチャプターを開いていく時期だと思います。 

川嶋:本当にそうですよね。パンデミックが起こったコロナ時代から、一通り経験をしてアジャストしてきた私たちが、ここからどうしていくのか、まさに新章に向かっていくタイミングでの、このカンファレンス。どんな話題がやりとりされるのか。このカンファレンスをきっかけに我々含め、リーダーシップを発揮していく方たちの意識が変わったり、具体的なアクションが生まれる後押しになっていくのではないかと。非常に楽しみです。 

荻野:そうですね。2009年、2010年ぐらいはシリコンバレーのCEOたちがマインドフルネスを実践してコンディショニングを図ったり、自分の内なる叡智に繋がっていく、自己認識を深めていくところがWisdom2.0のテーマでした。今は、マインドフルにメディテーションをするのは当たり前ですと。もう日々やっていますと。そこから次どうするかっていうところで、自分たちの叡智(wisdom)に基づいて、どんなアクションをしてかなきゃいけないのか。それを実際にアクションしてこうよっていうモードになってきるのが今の立ち位置です。 

川嶋:マインドフルネスが、世の中を作っていくリーダー層にとって、ごく当たり前の日常になってるからこそ、それを実践してる私たち(リーダー)が今の社会の変革にどうアクションするのか。意思を持って新章(ニューチャプター)を開いていく、まさにその節目にいるんだなと実感しますね。 



「Wisdom2.0のビジョン」を語る、Wisdom2.0創設者ソレン氏と、過去開催時の様子。
Wisdom2.0は、2009年
シリコンバレーで初めて開催され、過去10年間に、ニューヨーク、アイルランド、パリ、シンガポールなど世界各地で開催。Twitter、Facebook、eBayの創立者といった今日、世界で最も影響ある人々が登壇し、参加者も300人から5,000人を超えるまでに発展している。(画像:Wisdom2.0 Japanサイトより)

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3、世界を変えるリーダーにとってのマインドフルネスとは?

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