#Dialog1「オーセンティックリーダーシップ」 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事 荻野淳也さん Vol.1



3、世界を変えるリーダーにとってのマインドフルネスとは?


荻野:マインドフルネスとかウェルビーイングって、とかく疲れている人たちの癒しでしょうとか、いき過ぎた資本主義のカウンターパート的にそういう時代が来ているんじゃないのっていう捉え方をされる方もいらっしゃるんですけども、僕はそうでないと思っています。もちろん癒しが必要な人はまずは癒されて回復することが大切だと思います。 

川嶋:そこからじゃないとスタートできないですものね。 

荻野:そう。自分たちが傷ついていたら、人々を導くこともできない。ただ、そこを乗り越えたら次どうするのって、いわゆる谷を渡って、そこから回復したときに次に新しい世界をどう見ていくのか、どういう世界を切り開いていくのか、という時代になってきているということだと思います。だからマインドフルネスやウェルビーイングは癒しではなくて、これからの時代のファンダメンタルであり、OSとして当たり前になっていく。そうじゃないと経済も、我々の心と体もサステナブルではないわけですよね。そういったSDGsに象徴されるような自分たちの内側も外側の世界も、サステナブルに築いていく時代にテイクアクションしなきゃいけない時代になってきていると思います。 

川嶋:本当にそうですね。自分たちの内的な世界と、外側の世界のコミュニケーションの質はイコールだと、リーダーシップの世界だと考えられていますが、社会の変革を担うリーダーは、自分の内側の世界を整えていくというファンダメンタルの部分は(Being)、もう当たり前の基本OS。その上でどうアクションしていくのか(Doing)、どんな未来を私たちは創っていきたいのか。そこに今、我々は立っている、というところですよね。

4、オーセンティックリーダーシップとの出会い

川嶋:今日のテーマの、オーセンティックリーダーシップに関しては、荻野さん、今年の秋から多摩大学のMBAでオーセンティックリーダーシップの講義を担当されるんですよね。 

荻野:おかげさまでお声掛けをいただいて、秋学期担当になりますが、多摩大学のMBAでオーセンティックリーダーシップの授業を半年間受け持つことになりました。 

川嶋:すごく素敵です。とても楽しみだなと思っています。

オーセンティクリーダーシップとの繋がりで言うと、実は私もヨーロッパの女性リーダー育成のプログラムの日本代表をしていた時期があるんです。そのプログラムはハーバードビジネススクールでオーセンティックリーダーシップを学んだ方が、サステナビリティをテーマに、リーダー自身の幸福と社会の変革を、どうやって同時達成するかをテーマにして開発されたプログラムなんです。

日本代表のオファーを頂いた当時、私も、リーダーのあり方から他者・社会への影響力を発揮する自分で開発したリーダーシッププログラムを10年以上やっていて、地球の裏側で同じことをやっていると感じて(笑)。ハーバードでもオーセンティックリーダーシップに重きを置き、グローバル企業の女性の役員育成でヨーロッパでも展開されていることを知って。ただでさえ、マイノリティになってしまってオーセンティックでいづらい日本の女性リーダーの苦悩と、変革したくても変われない企業の組織課題を見てきたこともあって、これは私がやらなきゃいけないなと思って、当時、日本代表の職を引き受けた、という経緯もあるんです。 

→(次ページ)
5、オーセンティックリーダーシップが生まれた背景〜リーマンショックとエンロン事件

1

2

3

関連記事

PAGE TOP