YOASOBIのグローバル戦略が今の時代を象徴していて、とっても素敵なので、少しビジネス視点で感じたことを。
7月3日、YOASOBIがYouTubeライブを開催。
YOASOBIの素敵なところ①
リアルとデジタルの良さを絶妙にMIXするセンス!
【箱の上限のないオンライン開催で、28万人を動員】
ライブは無料。
オンライン上で開催することで、箱の上限がなくなるという最大のメリットを活かし、28万人を動員。
これ、コロナのパンデミックが起こった直後に、ビジネスをしている人なら気づいたであろう、最大のメリットですね。
これまで、大人数を同じ時・同じ場所に動員するには、
参加するファン側も、日程調整+交通費+宿泊費+移動時間などのコストがかかり、
主催者側も大きな箱(会場)を半年・一年前から押さえて、リスクを取りながら
ペイするように集客や運営を行う必要がありました。
これが、デジタル時代に一気にシフトしたことで、セミナーもライブもコンサートも、
主催者、参加者共にとーーーーってもコストを下げ、かつ、リーチできるマーケットが全世界に広がり、
日本で開催するライブに、地球の裏側からもiPhoneひとつで手軽に参加できる時代になったわけです。
だから、当然、2年前、私も含めこれにいち早く気づいた経営者達は一気にわきました。
コストが最小限になり、マーケットが拡大する、ここで自分はどう面白いビジネスを構築し、仕掛けていくか、と。
ここにチャンスを見れるか、見れないか、がひとつの大きな分かれ道だったと思いますが、
YOASOBIは、このオンライン開催のメリットを上手に活かして、28万人動員に成功したわけです。
YOASOBIの素敵なところ②
【あえての不便さによる熱狂を作り出す】
アーカイブは残さず、参加できるのは、ライブ配信会場に集まった人だけ!
リアルのライブと同様、その日同じ時間にライブ会場に集まった人達だけの一体感を高め、
熱量を最大限に高める設計。
ここでリアルの良さをオンライン上でも再現しています。
clubhouseも同じ発想ですね。
あえての不便さによる熱狂を作り出す。
【双方向コミュニケーション】
YouTubeライブなので、ファンはライブ中にコメントを入れることができ、
MCでそのコメントを拾ってくれる、という、私たちがライブ配信セミナーで日頃やっているような、
いわゆるFB LIVEやYouTube LIVEと同じ形式でアーティストのライブを実行!
このリアルタイムでのコメント投稿⇄MCでのトークの双方向のコミュニケーションで、
リアルのライブでは経験できない、ファンとの心の繋がりや一体感を生むコミュニケーションに成功しました。
YOASOBIの素敵なところ③
【デジタル時代のSNS戦略】
日本ではまだ「撮影禁止」が多い中、公式から発信される写真や自分が撮ったスクリーンショットを使って投稿していい、という一般のファンの皆さんがライブの感動を拡散できる仕組みに。(投稿先の指定などの一定のルールの下)
BTSなど海外アーティストと同じスタイルを日本でもいち早く取り入れて、CM効果ではなく、SNSを使ったPR効果で、どこまで広げられるかに挑戦しています。
これも時流を捉えていますね!
また、オフィシャルレポーターの制度もインセンティブ設計が素晴らしい。
良いレポートを書いてくれた方をオフィシャルレポーターにすることで、良い記事を書こうというモチベーションに繋がり上質な記事がネット上に拡散されていく基盤を作っています。
こんな風にして、
①ファンの一体感や特別感による満足度を高める
②エンゲージメントが高まる
③SNSで拡散するキャンペーンを打ち
④それを公式Twitterで紹介して更に盛り上げる
という好循環を作っています。
ひとつひとつ言葉にして説明すると、
もう昨年以降このデジタルエイジを経験しているビジネスパーソンには当たり前のことばかりかと思いますが、
それらが全て綺麗に有機的に繋がって、「感動」や「喜び」という形に昇華しているYOASOBIは、
音楽性だけでなく、時流を捉えた感性とビジネスセンスも美しいなと感じた次第。
元々のデビューも、ボーカロイドで作られた曲に、ボーカルをInstagramでスカウトして結成・デビュー、
というデジタルネイティブのYOASOBIらしいエピソードに時流を捉えるしなやかさを見ました。
(画像:YOASOBI オフィシャルホームページより)